債務整理すると離婚の慰謝料や子供の養育費はどうなる?

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債務整理をすると離婚の慰謝料や子供の養育費はどうなる?

離婚をするときには、様々なお金の問題が出てきます。その中に、離婚に係る慰謝料と子供の養育費があります。

 

養育費は離婚をするときの双方の経済的状況に合わせて金額が決められ、慰謝料は離婚の原因など個々の事情に応じて決定されます。

 

離婚時にはある程度収入も多く、支払いに問題はなかったが、離婚後何らかの事情で困難になるというケースも少なくありません。

 

病気で働けなくなってしまった、転職で収入が減ってしまった、事業がうまくいかなくなったなど理由は様々です。

 

このようなとき、滞納した慰謝料や養育費も債務整理で減額したいと考える人も多いでしょう。

 

今回は、債務整理をすると離婚の慰謝料や子供の養育費はどうなるか?という疑問について解説していきます。

 

離婚により発生する慰謝料と養育費

子供の養育費とは?

夫婦が離婚することになったとき、子供がいる場合には「親権をどちらが持つか?」という話になります。

 

親権とは子供たちを育て、教育する権利、義務を持つことで、通常、親権を持つ親が子供たちと生活することになります。

 

離婚により、子供たちが親権者である一方の親と生活することになると、そこに子供の養育費の支払いが発生します。

 

養育費は、子供の養育される権利を保護するためのものであり、子供を育てるために必要な費用の一部として、子供たちと生活しない方の親が負担します。

 

例えば、妻に親権がある場合、夫は妻に養育費を支払わなければなりません。

 

親である限り子供を育てる責任があるのですから、これは子供が成人するまで、あるいは大学卒業まで支払いが続きます。

 

養育費の金額は、夫婦それぞれの収入・年収などを基準として算定されます。

 

離婚に係る慰謝料とは?

離婚するにあたり、その原因によっては慰謝料が発生します。

 

慰謝料とは相手方に非があり、精神的、肉体的苦痛を受けた場合に請求することができるものです。

 

離婚理由には様々なケースがあります。

 

  • 性格の不一致
  • 一方の配偶者による殴る、蹴るなどの暴力
  • 生活費を渡さないなど経済的暴力
  • 人格を貶めるような精神的暴力
  • 不倫、浮気

 

こういった理由の中で、相手方の不当な行為とみられる場合には慰謝料が発生します。暴力、不倫、浮気などが代表例でしょう。

 

不倫や浮気の場合には、その交際相手に対しても慰謝料の請求が可能です。

 

養育費は債務整理することはできないが方法はある

親である以上子供を育てる責任があります。その責任を全うする意味でも養育費の支払いは必要不可欠です。

 

ところが、離婚したときに養育費の金額を定めても、数年後状況が変わってその支払いが滞ってしまうというケースも少なくありません。

 

それは、リストラに遭ってしまった、病気になって働けなくなってしまった、自営業の収入が減ってしまったなど、様々な理由が考えられます。

 

しかし、残念ながら養育費は債務整理の対象することはできません。

 

過去の未払い分については全額完済、今後の月々の支払いもこれまで通り続けていくことになります。

 

民事再生と自己破産

民事再生、自己破産の手続きにおいて、養育費は「非減免債権」「非免責債権」として扱われています。

 

「非減免債権」「非免責債権」は、裁判所で免責の減額、免責の許可がおりても支払わなければならない債権です。

 

これらの債権に当てはまるものに、以下のようなものが挙げられます。

 

  • @悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • A故意又は重過失により加えた人の生命身体を害する不法行為
  • B養育者又は扶養義務者として負担する費用に関する債権に基づく損害賠償請求権

 

養育費は上記のBにあたります。

 

不法行為に基づく損害賠償請求権や、親族法上の義務に係る債権などは、「社会的通念上、その債権者が保護されるべき債権」と考えられており、子供が健全に養育されるために必要な養育費も、保護されるべき債権ということです。

 

したがって、多重債務などで民事再生や自己破産をする場合でも、養育費は整理の対象から外しこれまで通り支払いを続け、未払い分も完済しなければなりません。

 

民事再生と自己破産を行う時の注意事項

民事再生を行った時、過去に滞納していた養育費については特殊な支払い方法が定められています。

 

まず、滞納していた未払い分の元本と利息など、総額の20%のみを、再生計画の履行期間3年間で支払います。

 

もちろん、これと併せてその月分の養育費の支払いは発生していきます。

 

そして再生計画の3年間が終了した段階で、未払い分の残り80%を一括で支払わなければなりません。

 

ということは、再生計画履行中の3年間の間に少しづつ積み立てをしておく必要があるということです。

 

債務返済だけでも大変な状況の中、さらに積み立てというと、かなり厳しいことが予想されますので注意が必要です。

 

また、自己破産においては、支払いの義務はあるものの、実際に支払い能力があるかどうか?という問題がでてきます。

 

これは受け取り側にとっての大きな問題で、未払いが続いて差し押さえなどの強制執行をするにも、財産がないので効果が期待できない可能性があります。

 

過去の未払い分も今後の毎月の支払いも併せて、回収できるかどうかという問題は残ります。

 

任意整理

任意整理は、法的措置を取らず債権者との交渉により行われます。

 

養育費の場合、交渉の相手は親権を持つ配偶者となります。

 

この場合、相手側がすんなりと受け入れてくれればよいのですが、借金があるので任意整理をしたいという流れで、養育費も一緒に減額したいという要求はまず通らないでしょう。

 

法的にも支払われるべきものとしての認識もあり、任意整理としての減額は期待できません。

 

どうしても養育費の減額をしたいときの手段

それでは、子供の養育費は一度確定したら将来的に見直すことは不可能なのでしょうか?

 

実は、離婚後養育費の金額を決め直すことは可能です。

 

様々な事情でどうしても養育費を減額をしたいという場合には、任意整理とは別に話し合いの場を設けることです。

 

離婚から現在までの状況を説明し、減額への理解を求めましょう。

 

話がまとまらない場合には、家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立てることができます。

 

これにより、当時者の事情次第では現状に合った養育費の額への見直しができる可能性もあります。

 

子供の養育費の場合、債権者側としての相手が元配偶者となります。債権者がいわゆる賃金業者ではない一般人であるため、気持ちが緩んでしまう場合があります。

 

しかし、養育費も滞納が続くと遅延損害金がついたり、最悪のケースでは相手側に裁判を起こされて、家や給料の差し押さえという大変な事態が起こる可能性がありますので、甘く見ずに早めに専門家へ相談し対策を打つことが必要です。

 

慰謝料は減額できる可能性がある

慰謝料についても、「非減免債権」「非免責債権」にあたるかどうかの判断により、減額できるかできないかが決まります。

 

状況によっては、減額できる可能性があります。

 

「非減免債権」「非免責債権」に当てはまる債務の一つとして「悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償債務」があります。

 

離婚の原因がこれに当てはまる場合には、減額、免除の対象にはなりません。

 

では、「悪意で加えた不法行為」とは一体どんなことか?というのがポイントです。

 

例えば、浮気が原因であった場合、夫が妻にダメージを与えることを目的に積極的にとった行動かどうか?が争点となりますが、実際のところ、本当に妻を苦しめるためであったとは言えないケースが多いのではないでしょうか?

 

一方、DVが続いたことが原因である場合は、「悪意で加えた不法行為」に当てはまる可能性が高いです。

 

この辺りは微妙であり裁判所の判断にゆだねられるため、一概に「減額ができる・できない」とは言い難いところです。

 

また、「悪意で加えた不法行為かどうか」は、民事再生・自己破産の手続き上では判断できないため、別に訴訟を起こして確定する必要があります。

 

あくまでも個々の状況によって変わってくるため、専門家と相談することをお勧めします。

 

まとめ

債務整理をすると離婚の慰謝料や子供の養育費はどうなるか?という疑問について解説してきました。

 

以下にまとめます。

 

  • @子供の養育費を債務整理で減額、免責することはできない。過去の未払い分も合わせて支払いの義務がある。
  • A民事再生を行う時には、再生計画履行期間終了時に、未払い分の80%を一括で支払わなければならない。そのため、返済をしながら積み立てもするという厳しい状況も予想される。
  • Bどうしても養育費の減額が必要な場合には、別手段として「養育費減額調停」がある。
  • C自己破産の場合は、支払い義務はあるものの支払い能力がないという、回収側にとっての大きな問題が残る可能性がある。
  • D離婚の慰謝料については、離婚の原因によって債務整理が可能な場合がある。裁判所の判断によるところが多く、ケースバイケースといえる。

 

なお、具体的な対応は個々の状況によって変わってくるため、専門家である弁護士や司法書士の無料相談を利用するのが便利です。

 

当サイトでは、債務整理を扱う弁護士・司法書士を地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

 

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