借金の返済が苦しい上に、ある日突然失業してしまった。無職では債務整理はできないのではないか?
このような状況に陥り、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし安心してください。無職の場合であっても債務整理をする方法はあります。
今回は、借金の債務整理は無職でもできるのか?という疑問について解説していきます。
なお、自分の借金が債務整理でどれくらい減るか知りたい場合は、借金減額シミュレーターが便利です。
目次
債務整理は無職でも可能
借金に追われて苦しい中、突然のリストラで失業してしまった、ケガでの休業中で収入がないなど、債務整理をしたいのに無職になってしまって悩んでしまうことがあります。
しかし、無職でも債務整理をする方法はあります。
債務整理するときに、職業の有無を問われることはありません。
生活保護受給者でも問題なく手続きができる方法もあります。
無職でもできる債務整理とは?
債務整理には、任意整理、民事再生(個人再生)、自己破産といくつかの方法があります。
1.自己破産はOK
自己破産は、全ての借金の支払いについて免責となる措置です。借金がゼロとなるわけで返済する必要がなくなります。
そのため、無職・無収入であっても申請が可能です。
ただし、自己破産には様々なデメリットもあります。
基本的にほとんどの財産は差し押さえられ、債権者に配当されてしまいます。
家や車、有価証券、20万円を超える預貯金などを全て失うこととなってしまいます。
また、自己破産をするとき、借金の原因によっては免責にならない場合もあるので要注意です。
たとえば、原因が浪費やギャンブルの場合は免責不許可事由にあたり、免責にならない可能性もあります。
それでも裁量免責になることが多いといわれますが、判断は裁判官にゆだねられているので、なんともいえないところがあります。
2.任意整理
任意整理は、弁護士や司法書士を通して債権者と交渉することにより、債務の利息分をカットし返済総額を減らすという方法です。
元本が減ることはなく、減額された総額を原則として3年間で完済しなければなりません。
そのため、その3年の間に毎月返済していくだけの収入が必要となります。
無職の場合は、この毎月の支払いができないため、任意整理は基本的に不可能です。
ただし、今は無職であっても、債権者への返済開始までに職を探し、毎月収入が得られる見込みがあったり、親や親族などのお金で返済ができる等ということがあれば、任意整理ができる可能性もあります。
3.民事再生(個人再生)
民事再生は、裁判所に申し立てをして、債務額の圧縮を行う方法です。
住宅ローンを残しながら、それ以外の借金を減額することができます。
減額幅は大きく負債総額が1/5ほどに圧縮されるものの、任意整理と同様に、月々の返済が条件であり、3年もしくは5年で完済しなければなりません。
無職・無収入では月々の返済ができないため、この手続きは不可能となります。
また、民事再生を利用する場合には、一定以上の収入があることが条件となっており、申請時に無職の場合には利用することはできません。
債務整理にかかる必要経費
任意整理や自己破産などの債務整理を行うためには、たいていの場合は弁護士か司法書士に依頼することになります。
その際には、もちろん弁護士や司法書士への報酬が発生してきます。
また、裁判所を通す自己破産は、弁護士や司法書士への報酬とは別に諸経費の支払いも発生します。
無職・無収入でも自己破産の申請は可能と述べましたが、必要経費は発生してきます。
弁護士や司法書士への報酬はと10万円単位で発生する場合が多く、お金がない時にさらに頭の痛い現実となってくるわけです。
法律事務所によっては分割払い可能
弁護士や司法書士の報酬が高くて支払いが困難なときもあります。
そのような場合、たいていの法律事務所では分割払いを受け付けていますので、相談してみるとよいでしょう。
法テラス
もう一つの方法として、法テラスの利用があります。
法テラスは、国による法的トラブル解決のための機関です。経済的に余裕のない人の法律相談をサポートしています。
様々な法的トラブルの解決について対応していますが、債務整理もそのうちの一つ。
無料相談から、弁護士の紹介、そして費用の建て替えまで行っています。
法テラスを利用すると、弁護士に依頼する着手金と報酬、実費が建て替え払いの対象となります。
法テラスにより、これらの費用を立て替えてもらった場合、その後は法テラスへ分割払いで返済していくことになります。
月々の返済額は5,000円から10,000円であり、生活保護受給者や他にも事情のある場合には、返済期間の猶予が可能となるケースもあります。
このように、切羽詰まった状態でも救いの手を差し伸べてくれる、大変ありがたい制度ですが、注意すべき点もいくつかあります。
自己破産をする場合、裁判所へ支払う予納金というものがあり、この予納金は建て替え金としてカバーされません。
予納金とは裁判所へ支払うもので、裁判所が手続きを進めるにあたって必要な実費をこの予納金から支払います。
そのため、申し立てと同時に支払わなければ手続きを進めてもらえません。
ですので、自己破産申し立て手続き前に、この予納金だけは準備しておく必要があります。
自己破産したくない場合
無職・無収入の状態では、任意整理や民事再生での条件となる毎月の支払いができません。
そのため、弁護士に依頼した時点で、受任してもらえなかったり、自己破産を勧められてしまいます。
でも、どうしても自己破産だけはしたくないという場合もあるでしょう。
そのような時には、債務整理を依頼するまでに、なんとしても職に就くことです。
その職種に制限はなく、正社員でなければだめということもないのです。
アルバイトやパートで全く問題がありませんから、とにかく毎月返済していけるだけの収入の見込みを得ることが第一です。
とりあえずどんな職でもよいですからアルバイトを探し、その後必要であれば、返済を続けながら転職することも可能なのです。
まとめ
今回は、借金の債務整理は無職でもできるか?という疑問について、解説してきました。
以下にまとめます。
- 無職でも方法によっては、債務整理が可能
- 自己破産は、全ての借金の支払い義務がなくなるため無職でも申請できるがデメリットも多い
- 任意整理は、減額後に月々の返済が必要なため、返済の見込みがない無職の場合は基本的に不可能
- 民事再生も、減額後に月々の返済が発生し、3年から5年で完済することと、一定の収入があることが条件で、無職では不可能
- 弁護士への報酬の支払いは、分割払いや法テラスを利用するとよい
- 法テラスを利用すると、着手金、報酬、実費は建て替え払いされるが、裁判所へ支払う予納金だけは申請時に本人が支払う必要がある
- 自己破産をしたくなければ債務整理までに職につくこと。職種に制限はなくアルバイトでも返済できる収入見込みがあればよい。後々、転職することも可能。
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