最近は便利な交通系ICカードが普及しています。
現金がなくてもピッとタッチするだけで、改札を通り、精算もでき、コンビニなどで買い物もできるという便利なカードです。
PiTaPa(ピタパ)もその交通系ICカードの一つ。
さて、債務整理をしたらピタパは継続して使うことができるでしょうか?
残念ながら、債務整理をするとピタパ(PiTaPa)の利用は難しくなります。
それは、ピタパ(PiTaPa)はポストペイ(後払い)のシステムをとっているからです。
今回は、債務整理をしてもピタパ(PiTaPa)は使えるか?という疑問について詳しく解説していきます。
なお、自分の借金が債務整理でどれくらい減るか知りたい場合は、借金減額シミュレーターが便利です。
目次
ピタパ(PiTaPa)とは?
ピタパは関西一円、さらには近畿地方全般、東海地方、北陸地方一部、岡山県など、幅広い範囲の私鉄・地下鉄・バス会社で使える、「スルッとKANSAI」発行の交通系ICカードです。
ピタパの特徴
ピタパの特徴は、何といっても「ポストペイ」。利用代金が後払いとなっている点です。
これは乗車ICカードとしては世界初ということで大変画期的なシステムといえます。
電車やバスを利用するときには、カードをタッチするだけ。
また、ショッピング枠が設けられており、ピタパショッピング加盟店であるコンビニや書店、タクシーなどで電子マネーとして買い物もできます。
ちなみにピタパには、ベーシックカードとクレジット機能付きの提携カードがあります。
上記の説明は、クレジット機能がついていない「ベーシックカード」についてです。
クレジットカード会社との提携がなくても、ピタパベーシックカード自体にショッピング枠があり、利用代金を後払いできるということです。
この利用代金は毎月末締めで、翌々月の10日に金融口座から引き落としとなります。
この後払いのシステムにより、利用状況次第では運賃が割り引かれるというお得感もあります。
ピタパ申し込みの際には信用審査がある
さて、ピタパの特徴について述べましたが、決済方法を見るとどこかで聞いた事があるような気がしますね。
そうです、ポストペイ(後払い)システムとは、まさにクレジットカードと同じ考え方。分類上はクレジットカードと同じ扱いとなります。
クレジットカードと同分類ということからわかるように、ピタパカードの申し込み時には個人信用情報の照会が行われ、審査に通った人だけが入会できることになります。
というと、もうお分かりかと思いますが、債務整理によりブラックリストにのった状態であると、入会、すなわちピタパカードを作ることは難しいでしょう。
ピタパを利用中に債務整理すると?
それでは、すでにピタパカードを利用している状態で、債務整理をした場合、その後のピタパカードの利用はどうなるでしょうか?
債務整理の主な方法である、自己破産、民事再生、任意整理、それぞれの場合を解説していきます。
自己破産と民事再生
自己破産や民事再生(個人再生)では、たとえ1円でも残債が残っているクレジットカードは整理の対象となり、使用することができなくなります。
少額でも残債があれば使用不可
ピタパカードの場合、あくまでも取り扱いはクレジットカードと同類です。
たとえ少額でも未払い代金は債務として整理することになり、申立て後は使用することができません。
未使用のカードは温存できる?
今まで全く使っていなかったクレジットカードや、残債が1円もないピタパカードがある場合はどうでしょうか?
この場合、法律上はそれらのカードを保持することは問題がありません。しかし、いずれは利用できなくなります。
ピタパカードもクレジットカードも、有効期限が定められており、カードの更新が行われます。
このカードの更新の際、クレジットカード会社は必ず与信審査を行っています。
つまり、カード発行から現在までの間にその人に事故情報が発生していないかどうか、個人信用情報を照会して確認しているのです。
更新時期でなくても定期的に審査を行う会社もあります。
そのため、自己破産や民事再生を行った後しばらくの間は、残債がなかったピタパカードやクレジットカードを保持できる可能性はありますが、結果的には強制解約となり使えなくなるということです。
自己破産や民事再生の申請前に解約を
このようにピタパカードを含め未使用のクレジットカードを持っている場合は、実は自己破産や民事再生の手続きを始める前に、解約しておくことが賢明です。
上で述べた通り、一時的に保持することができたクレジットカードも更新時の審査により強制解約となります。
これは、そのクレジットカード会社に「自己破産や民事再生の事実が知れてしまった」ということを意味します。
そうなると、この会社の社内ブラック情報として登録される恐れが出てきます。
すでに解約してあれば、このクレジットカード会社が自己破産や民事再生の事実を知ることはありません。
したがって、個人信用情報機関の事故情報が抹消された時点で、再びその会社のクレジットカードを再取得することができるでしょう。
しかし、一旦社内ブラック情報に登録されてしまうと、その会社のクレジットカードは半永久的に持つことができなくなってしまいます。
また、クレジットカードを保持するということは、いつでも借金ができるということにもなり、債務整理をする上では好ましくありません。
基本的に債務整理の手続き中に新たな借入れを行うことは、大きな問題です。
ピタパカードもクレジットカードの一種であり、たとえ少額でもその利用代金は借入です。
万が一自己破産や民事再生の手続き中に使用してしまうと、免責許可や再生計画の認可が下りないという最悪の事態を招く可能性もあります。
任意整理
任意整理では、整理する対象の債務を選ぶことができます。
そのため、もしもピタパカードを残したいということであれば、債務整理の対象から外し、継続して利用することができます。
しかし、実はこれも一時的なものなのです。
上記で述べた通り、ピタパカードを含めクレジットカードの更新時には、個人信用情報の照会が行われます。
この時点で、債務整理をしたことがカード会社に知られてしまい、強制解約となってしまいます。
更新時期でなくても、途上与信といって定期的に与信審査を行うクレジットカード会社も多くあり、そのタイミングにより時期は前後するでしょう。
いずれにしても、カードを保持できるのは一時的であり、これは、未使用のクレジットカードでも返済中のクレジットカードでも同様です。
また、債権者との交渉中にピタパカードやクレジットカードを使用し、それが債権者に知れれば、交渉がうまくいかなくなる可能性もあります。
債務整理をしても使えるピタパ
ショッピング機能は必要ないにしても、純粋に交通系ICカードとしてピタパがないと不便ですね。
そのような時には、「保証金預託制PiTaPaカード」が便利です。
これは、ショッピング枠なし、定期サービスなし、タクシー利用も不可という、純粋に交通サービスのみを利用するためのカードです。
「保証金預託性」とあるように、あらかじめ所定の保証金を預ければ、誰でも入会できるというものです。
20歳以上であれば、審査不要で利用が可能ということで、まさに債務整理で審査に不安な人にとっては、大変ありがたい制度です。
ただしその保証金は、設定した利用枠の4倍ということでハードルの高さも否めません。
利用枠は一万円から5万円まで1万円ごと、保証金はその4倍、4万円から20万円となります。
ピタパ提携カード
ピタパカードには、各種クレジットカード会社提携カードがあります。
その種類は多数に及び、それぞれ独自のサービスも展開しています。
これら提携カードは、もちろんクレジットカードですから、債務整理による影響はご承知の通りです。
まとめ
債務整理をしてもPiTaPa(ピタパ)は使えるかという疑問について解説してきました。
ポストペイを採用しているPiTaPa(ピタパ)は、基本的にクレジットカードと同類の扱いです。そのため、債務整理による影響が大きいです。
すでに利用中のピタパカードは、残債があれば債務整理の対象となり、その後は使えなくなります。
残債がないピタパカードはそのまま保持することも可能ですが、更新時には個人信用情報の照会が行われるため、自己破産や民事再生など債務整理の事実も知られ、強制解約となります。
任意整理でピタパカードを整理の対象から外し、一旦は保持することができても、結果的には強制解約の時が来るでしょう。
債務整理の手続き中に、万が一手元に残したピタパカードを使用すれば、最悪ケース、免責不許可、再生計画の不認可、交渉の決裂となる可能性もあり、大変危険です。
未使用のピタパカードなどについては、債務整理を始める前の解約がベストです。
どうしても交通系ICカードとしてピタパカードが必要な場合、審査不要の保証金預託制PiTaPaカードがあります。
なお、どの債務整理方法が自分に合っているかは、債務整理の専門家である弁護士や司法書士の無料相談を利用するのが便利です。
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