連帯債務者と聞けば、一般的に連帯保証人や保証人に近い意味合いを感じると思います。
しかし、それぞれの言葉の意味は微妙に異なっているので順番にその意味を確認して行きたいと思います。
目次
保証人とは?
まず保証人ですが一般的には金銭の債務の保証において利用されます。
ただし、現実的には保証人という制度より連帯保証人の制度が圧倒的に利用されます。
保証人の場合は、保証している債務者に支払い請求をせずに保証人に支払い請求をした場合、保証人は債権者に対して先に債務者に請求してくださいと主張する事が出来ます。
当たり前と思うでしょうがこのような主張が認められます。
また、債務者が支払わないので保証人の財産を差し押さえるとなった場合、保証人は債務者に財産があるので債務者を先に差し押さえるようにという主張が出来ます。
連帯保証人とは?
次に連帯保証人についてですが、先ほども言った通り、現実にはこちらの制度が大多数利用されています。
例えば、賃貸で家を借りる場合や、リース契約など多くの方が連帯保証人としてサインをしていると思います。
さて、この連帯保証人ですが保証人と比較することでわかりやすくなると思います。
保証人の場合は債務者に支払請求をせずにいきなり保証人に請求された場合は、まずは債務者にという主張が出来ましたが、連帯保証人はそれが出来ません。
債権者が債務者より連帯保証人から支払をしてもらおうと思えばすぐに主張できます。
次に、債権者は連帯債務者の財産を自由に差し押さえることができます。
保証人でしたら、まずは債務者の財産があるのでそちらを先にと主張できましたが、そのような主張が出来ません。
このような内容を見てみると、連帯保証人とは自分が債務者になるのとあまり変わらない法的な状況と言えます。
債権者からすれば有利な制度ですので利用度が高いという事をご理解頂けたと思います。
連帯債務者とは?
最後に連帯債務者についてですが、法的に考えれば、ある債務を連帯している当事者の一人になります。
例えば、A、B、C、D、Eの5人が連帯債務者となった場合は全員が借主という立場です。
これはAが債務者でB、C、D、Eが連帯保証人の場合は、Aだけが借主で後の4人は連帯保証人という立場になり、借主ではありません。
このように法的な意味では大きく異なりますが、当然、連帯債務と言うくらいですので債権者は連帯債務者であれば誰にでも支払請求ができ、連帯保証人と限りなく同じ法的主張が出来ます。
まとめると、保証人という制度があり、さらに連帯保証と連帯債務という似ている制度があるという事を覚えて頂きたいです。
連帯保証も連帯債務も出来るだけ避けて人生を過ごすべきでしょう。